巡る、桜と。巡らない、想い。@木桃いつな

春になると焦燥感に苛まれる。
特にそれはソメイヨシノが咲くころ、溢れだしてとまらなくなり。
どうしようもない虚無感と絶望でひざ下が重くなるような感覚になる。

どうしてだろう、と思いながら先日の蒼暮櫻の記事を書いたのですが。

FBで「桜は、年月を重ねて行き見る人に、特徴的な意味を持たせるのでは?」コメントを頂きました。

たしかに、そうかも。と納得。
物心がついたころ。集団生活に入る前までは桜や春に対して何も思わなかったのは覚えています。
春でも夏でも秋でも冬でも、何かに縛られたり感情の上下も特になく。
自分の小さな世界の「今」だけで生きていました。
それが、「子供らしい」ことなんだと僕は、思います。

生きていると、どうしても逃げられない事や理不尽な事が目の前に現れます。
それは、日常の中から少しだけ離れた所に澱のように累積して。
とあるごとに繰り返し再生されます。
その、切っ掛けになるのが毎年一気に咲く「桜」なのかなぁと思います。

今年の桜撮影も、木桃さんに被写体をお願いしました。
「去年の夢の、続きみたいな雰囲気にしたい」とだけ伝えて。
ワンピースを、去年と同じにして頂きました。



木桃さんはこれまでもたくさん撮影させて頂いているのですが、今回はgraph.のロケやお仕事の撮影以外で撮らせて頂くのは去年の7月ぶり。
半年以上空いていました。びっくりです。

なので、ファインダ越しに目を合わせた時、ものすごく新鮮というか焦ったというか。
感覚が、ぶわっと、再沸騰するような不思議な気分を味わいました。




風の無い少し、冷えた花曇りの午後。
夕方から日没までを撮らせて頂きたくて遅めのスタート。

揺れない枝先は、なぜか不安になります。
ひと気のない桜並木が、僕らを監視しているようでもありました。

単焦点50个F1.2をF1.6まで絞り込む。
すっかり慣れたこの画角は、カメラを構えなくてもその四角い天幕で世界が見える。


光を抱きかかえるような色彩。
きっと、光は抱きしめたら身体を透過して、消えてしまう気がします。
丸く零れる光の欠片は、吐息で消えてしまいそう。

一瞬だけ出た太陽が陰ると、肌の温度がすっと、下がる。
その、下がった温度のままをじっと見つめて、捉えて。



微かに息づく音を捕えて。
壊れそうな一枚の薄氷のような感情。

初めて見た光景のような、桜。

木桃さんは、僕を見ていない。
この時の撮影で思ったことだけど、ファインダ越しに眼が「合わない」。
視線としては合っているけど感情がリンクしない。


とても不安定で定まらない目線の先に、何が留まっているのか。

「木桃いつな」という被写体はとても不思議で。
桐島ナオが作り上げる部分もあり、本人が引き出す部分もあり、被写体本人とは少し乖離したひとつの人格だよね。と、話した事があります。
だから、桐島さん以外が撮ると「木桃さん」では無くなってしまう。
また違った魅力が出て来ると思うけれど、ここで見る木桃さんはここでだけ存在している多重人格の中の一人のような存在だと、感じました。



だから、撮影が終わってデータチェックをしていても、お互いに違う誰かの写真を見ているような。少し浮足立った気持ちになってしまう。

この、恍惚とした浮遊感は。現実ではないような気さえしてきます。



空中ブランコに投げ出した、指先の交差する先の瞬間から零れた一滴。
その雫が、写真に零れ落ちている感覚。

あぁ、綺麗だなぁ。とは、感じているのだけれど。
シャッタを切っている瞬間は、きっとこの文章を打っている桐島さんとは別人で。
普段仕事をしている桐島さんとも別人で。
誰でもない、夢の中の誰かが僕に重なって網膜に映画を投影しているような。

そんな、写真たちでした。



とてもとても綺麗で孤独な音楽を聞きました。

木桃いつなさん、ありがとうございました。
もう少し、春に撮らせて頂きます。
次回も、どうぞ宜しくお願い致します。



そして。
僕の、ソメイヨシノの春はとても寂しくて、悲しくて、孤独で、美しくて、どこにも行けない感情や感覚や記憶です。

それらを、抱きしめたままで、春の温かさだけに心を預けたのが、次のgraph.なんです。
それはソメイヨシノではありませんでした。
ふんわりと優しい京都と青森の八重桜でした。

僕の、重苦しい春を、記憶を抱きしめてくれた感覚。
その、「光」を、graph.では表現しています。

やっぱり、手に取ってもらうものは「光」であって欲しい。
絶望や孤独も美しいけれど。
それは自分自身のものだけであって、何かを得るものではないと思います。

だからこそ、そもそものgraph.のコンセプトである『光で何を描きますか?』という問いかけには、「希望」であって欲しいという願いがあります。

絶望も孤独も憐憫も、美しいです。
それでも、光が在って欲しい。
あなたの中に光が灯ってくれたら嬉しい。
僕の中にも存在してくれたら嬉しい。
それは、むりやりあなたを春の先へ引っ張るものではなくて、満身創痍で春を乗り切るあなたへそっと寄り添って温めてくれるような、柔らかな光と温度であって欲しい。

そう、思いながら。原稿を書きました。

桐島ナオの春は暗いです。
でも、春の先は希望でもあります。

闇が無ければ希望もない。
僕はどちらも、大事にしてゆきたい。




そんな、想いで作った『graph.#3』春号。3月30日発売します。
通販もその時期に開始しますのでどうぞ宜しくお願いします。


あなたに、『光』が届きますように。





最後に。本日の爆笑の、木桃氏を。。。笑



この、1秒前の写真は非公開にしておきます。笑
木桃さんはこういう笑い方をすると、蒼井優ちゃんに似ていると思う桐島でした。




にほんブログ村 



写真ブログへ登録してみました

skycloverTOPPageへ戻るサイト TOPを別窓で開く(外部来訪者さま用)

JUGEMテーマ:写真




コメント
コメントする








   

calendar

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< March 2020 >>

桐島寫眞表現研究室

写真教室PhotoCafe

桐島ナオ作品展示HP

 

桐島が写真担当してます

selected entries

categories

archives

recent comment

  • それは、白よりも白く @blanc.
    ミー太郎の母
  • それは、白よりも白く @blanc.
    桐島ナオ
  • それは、白よりも白く @blanc.
    ミー太郎の母
  • モロッコ旅の記録1(日本→シャウエン旅程について メモ)
    桐島ナオ
  • モロッコ旅の記録1(日本→シャウエン旅程について メモ)
    みこ
  • 九龍暗躍活劇@昼の部
    桐島ナオ
  • 九龍暗躍活劇@昼の部
    hkakira
  • 6月のネコサツ!
    桐島ナオ
  • 6月のネコサツ!
    りさりさ
  • 暑中お見舞い申し上げレオン。
    桐島ナオ

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM