淡い春の記憶@木桃いつな

桜撮影2本目。今年のソメイヨシノです。
毎年撮影している千葉県某所場所から変わり。埼玉県へ。

今年の桜は開花が非常に早く焦りましたが(^^;)花自体はすごく長く咲いてくれたので嬉しかったです。



「桜が苦手なのに、どうして桜の写真を撮ろうと思うのですか?」と質問を頂きました。

被写体をして頂いている木桃さんも、ソメイヨシノは怖い。と言っています。
そういう意味では僕と似た目線の高さで桜と向き合ってくれているので、作品作りの上では非常にありがたいです。

どうして「撮りたい」と思うのか。 という質問ですが、
「撮りたい」ではなく、「撮らなくてはいけない気がする」のが、ソメイヨシノです。

「苦手」なものは自分にとっては「興味深い」ことと同じ位置に心があります。
拒否反応を起こしているという事です。
僕にとっては「心が動く」というのはその反応の中身は関係なくて、単純に心が大きく揺れ動くものを写真に撮ります。

「希望」と「絶望」が同意義なんです。



だから、「幸せを感じている」ということと「絶望に打ちひしがれている」というのは全く同じ状況で。
ベクトルがプラスに向いているか、マイナスに向いているかの違いだけであって。

心が大きく動いている状況、というだけです。

僕はその両方を単純に写し留めてゆきたいと思うのです。

だから、「撮らなくてはいけない」と感じます。



数年前までは「自分の心象をある程度整えた状態」で作品作りに向かおうと思っていました。「写真を撮りたい」と思う意欲の元に撮影に臨むという意味です。
だから、撮りたくない気持ちの時にはシャッターが押せませんでした。

今は、そういう気持ちの時にも、カメラと向き合う事にしています。
まとまりが無くても、答えが無くても、汚くても、支離滅裂でも、置かれている自分自身の状況や心象を作品に昇華すること自体に意味があると考えるからです。
そこに、自分自身の保身やプライド、見せたい貌や意志は関係ないと。
どういう風に考えるようになりました。

作品に思いをぶつけて昇華しよう!というわけじゃないんです。
なんというか、そのまま縫いとめるような、淡々とした感覚に近くて。



人を撮りたいと思うようになって、人と向き合うようになって。
自分自身と向き合う事が多くなりました。

このサイトで被写体をお願いしているモデルさんは多くありませんが、木桃さんは最近一番多く被写体をお願いしている方です。
その理由は、見ている視界の深度が少しだけ、似ているからです。

世界を見つめる温度。湿度。角度。
その深さが、カメラを構えて、意識を深く落とし込んでゆく過程で、シンクロします。

ものすごく人が多い場所なのに、すっと、音が消える。
雑多な風景なのに、何もかもが見えなくなる。

撮影中に指示をすることはほとんどありません。
でも、彼女の目線の先の光景を、僕は彼女の眼になって見ていると錯覚することがあります。
たぶん、彼女も僕の眼になって、自分自身を見ている事があるのかもしれません。



ふと、添えた鉄柵の意識の先の桜の花びらの感触を。
何故か、僕が感じている。

それは、錯覚なのだけれど、嘘ではない感触。



敷き詰められた桜の絨毯は雨に降られて茶にくすんで、すぐに土に還る。

少しだけの薄紅は薄めた肌色にも見えてなんだか不思議な色彩に見える。

ぐるりと桜に囲まれたこの場所の下に何かが埋まっているとしたら、何だと思いますか。



水面のように広がる輪を見ながら。
今年のソメイヨシノはなんだか、少しだけ感傷的な気がしました。

眸に落ちた光が、水面のように見えて。
シャッターを切ったことを、覚えています。


木桃さん、寒い中ありがとうございました。










桐島ナオが編集長を勤めるリトルプレス写真誌「graph.」第3号の発行となりました。
今回は「桜」特集。
東京の、今年のソメイヨシの桜はもう散ってしまいましたが、桐島が想いを寄せたのは京都と青森の八重桜です。柔らかな光と優しさが光となって春を消してゆきます。


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