マリオ・ジャコメッリ写真展に行ってきました。

東京都写真美術館で現在開催されている「マリオ・ジャコメッリ写真展」に行ってきました。
ジャコメッリ
写真を見るのは前回の展示以来、2008年なので5年ぶり。
でしたが…昨日のことのように覚えているので久しぶりな感じはしませんでした。


彼の作品はこのポスターにもなっている「神官シリーズ」が有名です。
ハイコントラストのモノクローム。

浮き上がっているかのような浮遊感の中、楽しそうに踊る神官たち。
雪合戦をしていたり、ピクニックシートを拡げたり?楽しそうな雪景色です。

前回見た印象は、その焼き込み方と質感、そして宗教的な世界観と全体の構図やデザイン、神官をモチーフとしているのに煙草を神官に吸わせた写真を発表し、教会を波紋になった…という感じでした。

とても「いいなぁ!」という感じ。
植田正治先生の作品が見たくなったくらいです。

そして、今日見て来た感想は。


ちょっと、精神的に「ホスピス」シリーズがきつかった…です。

特にピンがズレているあの車いす(と思われる)男の黒い目が怖くてしょうがない。
きっと、もっと僕が子供だったら、眠れないと思う。

それと、晩年の詩的な象徴的写真も、怖かった。

神官シリーズはやはり綺麗だったのだけれど、ホスピスシリーズがとにかく怖くて。
気持ち悪くなってしまい、途中座ってしまいました。

たぶん、「死を待つ、死んだ目の人」が僕はどうしようもなく怖いのだと思う。
それを真正面からそのまま撮影し、そのまま突きつけてくる彼も怖い。
そこに「救い」がないから、恐怖を感じる。

美術作品というのは「答えが出ているもの」と「答えを探しているもの」と「答えが見つかりそうなもの」と「今答えを見失いそうになっているもの」と「答えを探す気がないもの」と「全く答えが出ていないもの」があると思う。

「答えを探す気がないもの」というのは聞こえが悪く聴こえるけど、そのままの精神状態をそのままぶつけた作品ということ。
命題に対して追求して作品で答えを模索しているのでもなく、ただ、ただ、作者の精神を反映したもの。という感じ。
僕の中では草間彌生さんもここに入るかも。
昔の奈良さんも此処だったけど、今は「答えが出ているもの」になっている。



どれがエライとか優れているというのではなく、表現方法が違うだけ。

ジャコメッリの今回のホスピスシリーズは、とにかく突き付けるだけ、突きつけられた気がする。
報道写真も結構ダメージくらうのだけど、報道写真は「伝えたい」「状況を変えたい」という意思が強く感じられるから、そこに「救い」があるんだよね。

なんというか。こういう風に思って、あぁ、自分は今、「救い」が欲しいんだなぁ。と思いました。



自分が撮る写真に「救い」は無いと思う。
けれど、自分にとってはものすごく微細なものでも、「答え」が出ていて欲しいと願っている。
きっと、「救いであって欲しい」と思っている。

僕は、ものすごく絶望に打ちひしがれても、光を見たいと思う。
幸せなものを撮りたいと思う。

なんか、それは虫が本能的に明るい方へ行くような感じで。
それが火の粉であっても、知ってても、そうしたいと思う。

ジャコメッリの写真を見て、こんなにぐるぐるするとは思いませんでした。
でも、とても考え深い写真展でした。

写真は、作家のオリジナルプリントで見たいです。
どういう意図で撮影したのか、何を撮りたかったのか。
手焼きのプリントは意思を反映します。

ジャコメッリが生きている間、僕も重ねて生きていた時間があります。
撮影西暦をみて、その年の自分は何をしていたのか、考えたりしました。

ひとつだけ、彼に聞いてみたかったのは。
畑の空撮写真で「まるでセザンヌの絵画のようだ…!」と賞賛したのに何故モノクロームで撮影したのか。ということ。
彼の写真と状況を想像するに、あの抽象的な色彩と光彩だったと思う。
なんか理由やポリシーがあったのかなぁ?
モノクロ以外は撮らなかったのかな?



月末に、鳥取の植田正治美術館に行きます。
念願の美術館。
僕は、何を想うだろう。

楽しみです。





桐島ナオが編集長を勤めるリトルプレス写真誌「graph.」第3号の発行となりました。
今回は「桜」特集。
東京の、今年のソメイヨシの桜はもう散ってしまいましたが、桐島が想いを寄せたのは京都と青森の八重桜です。柔らかな光と優しさが光となって春を消してゆきます。


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