生き物ということ生きてるということ

午前中は家でレオンとのんびりして、午後から打ち合わせ。
終わってから、ずっと気になっていたサンシャインリニューアル後のサンシャイン水族館に行ってきました。
(テキストはあまり楽しい事を書いてないのですみません…。先に謝っておきます)
 

これ。見てみたかったのです。空飛ぶアシカ。きちんと掃除されてて綺麗なチューブ。
水も綺麗です。どうなっているのだろう?と、思って。

不思議な感じ。
高層ビルの中に、アシカが飛んでる。

桐島は、動物園とか、水族館とか、大好きなのですが、結構苦手で。
こうして数年に1回くらい、一人で行きたくなります。
 

水面の揺らぎ。透明な水に、反射する太陽光。
たぶん、暗い室内や濁った水の中で暮らすよりはだいぶ快適な感じがする、アシカチューブ。
 

その、比較対象はちょっとおかしいのかな、とも思いながら見てた。
このチューブはぐるりと数メートルで完結していて、逃げ場はないのです。
マグロ水槽みたいな感じ。終わりはないのです。
 

普段都会で生きているとこういう「動物」に会うことはないし、ましてやこんな魚や生き物に会うことはないから。
世の中にはこういう生き物もいるんだって、興奮するし、子供の頃から水族館とか動物園がとても好きだった。
でも、見ればみるほどに悲しくなって、帰る頃には泣いててよく怒られてた。
 

こんな大きなエイは、何歳なんだろう、とか。
ここに来るまでどうやって暮らして何を食べてたんだろう。とか。
「捕らている」ことを考えてしまう。
 

全ての生き物に優先順位はなくて、全てが等しく命を与えられていると思う。
じゃぁ、魚を食べないかというと、魚も肉も野菜だって食べる。
命を奪って生きている。
 

生きるためじゃなくて、他の生き物の命を握るのはどうなんだろう、と思う。
動物じゃなくて、植物でいうなら、園芸はどうなんだろう、とか。
 

美しいものを見ると、「あぁ、なんて美しいんだろう」と感じる。
それは他の生き物だって、思っていないことはないと思う。

でも、それを「自分のものにしたい」という所有欲は人間特有なんじゃないかと思う。
 

こうして写真に収めることだって、所有欲の一つだと思う。
納得のいく写真がとれると「手に入れた」感がある。
それは時に、暴力的であるという自覚を忘れないこと。
だからこそ、敬意を払って、何の為にシャッターを押すか考えること。
 

ファインダーで見て、美しさに気づくこともある。
両目で見るより、普通に見るより、露出の計算や構図を考えた時に「美しさ」を探すから、ただ眺めるよりも気づく事が多いのだと思う。
僕がフルマニュアルで撮りたいと思うのはそこ。自分の感情や記憶や意識を数値に置き換えて表現する事ができる魔法。
だからって、自分主軸にならないこと。
意識のコントロールと、陶酔感。
人が多くて、シャター音が聞こえない。
 

ちょうどラッコのご飯の時間で、貝とかイカとかをもりもり食べてた。
海の中に入ると流れるように動くのがとても綺麗。
 

飼育員さんとものすごく息が合ってて。
ラッコってこんなに言う事を聞いてくれるんだ…と思った。
両手で顔を掴んで撫でてたり体を触ったり。ラッコは嬉しそう。
 

足で体を支えて飼育員さんの手拍子に合わせて手拍子するラッコ。。。可愛い。。。
この子はほんっとに人に慣れてるようでした。
人間と1対1だからかな。
 

で、撮影タイム。1分以上こうして静止しててくれるのです。これはびっくり…。。。
きっとラッコは何をさせられているのか分かってないと思うから表情は無いのだけど。
毛が硬そうだなぁ…と思いながら見てました。
 

ここは魚もいるけど、動物も結構多くて。
都会のど真ん中の高層ビルの屋上で、いろんな生き物が暮らしてます。
アルマジロって、どこの国の生き物だっけ…と、思ってしまった。
 

ペリカン。
ちょうど羽を広げてくれたのですが、羽を切られてるのが見えて切ない。

オウムがジャングルに住んでて、空を埋めるように群れで飛ぶ映像を見た時、やっぱり悲しくて泣いてしまった。
フラミンゴも数え切れないくらい群れで暮らしていて、やっぱり優雅に飛ぶ。
鳥は飛ぶもの。飛べないようにして縛り付けて「飼う」。
 

「こちらは流氷の下に暮らすアザラシで〜す。とっても優雅ですね〜」と自動アナウンスが流れて。
まんまるのアザラシがすいーっと泳ぐ。
この水槽に2匹は狭いんじゃないかな、とも、思う。
 

2匹のうちの1匹がこちらを観察してくる。人の手をじっと見つめる。
人の動きを、じっと見つめる。
 

じっと見る理由が分かって。
目が両方とも白濁しているのだった。
見えているのか見えていないのか分からないけど、明らかに真っ白な目玉。
白い空洞のような目がじっと、見つめてくる。
かなり長い間静止して、桐島の前にいた。

お前は、何をしている。
わたしは、何をしている。
何のために?何のため?

突き刺すような視線。空虚で、悲しみと、諦めの目。
 

僕は、この子を撮り続ける事が出来なかった。

その答えを持てない自分と、涙が落ちてしまいそうで。
久しぶりに、知らない動物に訴えられて。
息ができなくなって。

ごめんなさい。としか、返せなかった。
 

池袋は苦手で、地下通路は人が多すぎて目眩。
昨日から気圧が低すぎて耳鳴りもあるし。

そうやって理由をつけて、どうにか決着をつけようとする。
理由があれば安心するのか。
結局は自分が納得できればいいのか。
 

気になってたカフェに逃げ込んで温かな空間にほっとする。
ここだって、人間が作った場所だ。
だけど、ここは温かいと思う。
 

急に空腹感が出て、そういえばお昼を食べてなかったな、と。
僕は、生き物を、生きていたものを食べる。

日々暮らしていると忘れてしまう。
これは当たり前の行為ではなく、命を奪って自分をつないでいるということ。
 

そうして命をつないで、自分は生きている間に何が出来ているだろう、と考える。

優しい空気の店内。
異国に来たみたいなのに、落ち着く。
行った事もないのに、東欧ってこんな感じだろうかと思う。
 

足元にウィリアム・モリスのパネル。
君の事は知ってる。
あの大きな博物館で見た。
 

痛みを忘れたら自分がどう生きているか忘れてしまうと思う。

幸せも喜びも必要なことだけど、痛みと悲しみだけは忘れないように。
あの、濁った目で僕を見てきたアザラシを忘れないように。

自分が何者か、自分は何をすべきか。
意識して、考えて、何度だって意識を組み立て直そうと思った。


あの水は冷たかったのかな、というのを。
ふと、思い出した。


 


東京キャットガーディアン×PhotoCafe桐島ナオ 月イチ*猫撮影会

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