モロッコ旅の記録4(シャウエン猫たち)
モロッコで一番フォトジェニックな街はここシャウエンだと思います。なにせ街の中が青色で埋め尽くされていて、あちこちを探検したくなる上に、そこかしこに猫がいます。
モロッコはイスラム教の国なので猫を大切にします。イスラム教の開祖のムハンマドさんが猫好きだったから、とか。笑
そう聞くとなんか可愛い理由な気がしてくる。
街中で猫をいじめている人や邪険にしている人は見ません。
子供から大人までみんな猫に親切。
ここは洋服屋さん(と言っても露天です)。マネキンが破損していますがお愛嬌で。。
ここは親子のテリトリーのようです。
ん?お前なにしにきたんだ? と、レンズに興味深々の子猫。
顔がよごれてるー…けど、シャウエンの子猫でよごれてない子は見ませんでした。
こちらアーケードの上。日当たり抜群。
でも人気の場所らしく、たびたび争いが勃発しておりました…。
この下がよくSNSとか旅サイトで見る壁に色とりどりのポットが飾ってある青い道の写真の場所です。
いつ通っても中国からの団体さんがずっと撮影していたので、上の猫たちを撮って離脱。笑
この子、2回くらい見かけたのですが。すごく好みの顔つき。
「どーも」って挨拶したら「あぁん?」って首をかしげられました。で、しばらく桐島の周りをウロウロ。
カメラを構えても逃げないので撮らせてもらったのですがガン見。笑
ほんといい面構えです。
朝方と夕方に撮影に出ていたのですが、猫のいる場所と動くルートがなんとなくわかってきました。
観光地のお土産売り場とかには昼間はほとんどいません。この時期暑いから、そりゃそうですね。10月初旬日中は30℃超えてました。朝夕は快適で23℃くらい、でも夜は寒いくらいに冷えます(標高が高いので)。
日の出が7時半なので、散歩していた8時過ぎはまだ早朝。気温も低いので猫が丸まってます。この扉の前の白黒の子、小さなダンボールの上に寝てます。少しでも暖かい場所を探してるんだよね。
この子はパン屋さんの子。お店にカメラを向けていると思ったのかおばちゃんが「写真はやめて!」とジャスチャーしたのですが桐島が「ここにいる猫を撮らせて」とお願いすると笑顔で「あぁ、この子ね!どうぞ!」と。
可憐な子でした。パン屋さんちの子なのかな、と思ったけどシャウエンでは猫を「飼う」という感覚はあまりなさそう。共存というか同じ空間に生きている隣人的な感じ。
ちょっと路地を歩いているとものすごい速度で猫が駆け寄ってくることがあります。
あまりの勢いにびびる桐島。しかも子猫だ!!
なんかくれ!なんかくれ!なんかくれ!!!
…言葉は通じなくてもそう言っていることはわかります…が、桐島、丸腰でした。ごめん…何も持ってないんだけど…。
ちっ。つかえないヤツめ!!
と、罵られました。。ごめんよーー。。。こんなにみんな飢えてるとは思わなかった。。。
シェウエンの猫(とフェズ、マラケシュの猫)はたいてい痩せていて若い子ばかりでした。太った猫や体の大きな子、老猫はいません。そういう環境ではないんだろうな。
子猫は何かしらの疾患を抱えていることが多いように見えます。キレイな子は珍しいくらい。
青に横顔が映えてとても絵になる。
子猫をとにかくたくさん見ます。去勢手術はしてないんだろうなぁ。と。
でも爆発的に増えないのは増えているのと同じだけ死んでいるんだと分かりました。猫自体はとても多いけどね。
少し面倒を見てやる。って感じで、猫が家に入ってきても追い出したりはしないけど、飼っている感じではない。家猫ではない感じ。このおじーさんと猫は同じ歩調で歩いて行きました。一緒に生きている感覚。
朝のゴミ収集車が来る前、ゴミの上でぐっすり寝ている子。
そこで寝る??と思ったのですが、地面よりあったかいのかな。
こちら広場前。ゴミ捨て場は猫の溜まり場でもあります。
回収の車が来る前に朝ごはん。朝ごはんという名前のものをくれる人は少ないようです。(でもゴミを漁っているのを怒る人もいない模様)
猫の餌やりさん的な人はいるのかもしれませんが桐島は滞在中見ませんでした。(カリカリや猫缶は販売していないというかペットフードという文化がない)
ちょっと毛が長い子は珍しい。ご飯場に突っ込むことができなくて様子を見ている子。
TV番組とかSNSでは猫たちがこんなに飢えている感じがしなかったので、、、、カリカリを何袋か持ってこれば良かったと思いました。
餌やりというか、朝方は道の片隅に多めに残した残飯が置いてある事が多く、それらを食べる子を見かけました。
良いとか悪いとかそういうんじゃなくて、人間もそんなに贅沢ができるほど裕福ではないということ。
コンビニで好きなものが買えるわけじゃないし、仕事だってそんなに多くはないし、モロッコ人の多くはそれほど恵まれた暮らしをしているわけではないです(心はとても豊かであると感じます)
そんな中、大切な隣人のためにご飯を分け与えているという、感覚。
この兄弟の黒猫、1日前に桐島に駆け寄ってきた子です。
よかった。兄弟がいたんだね。
ここは広場のカフェの奥。手前にものすごく人の良さそうなおじさん集団がいて、桐島のカメラを見て「こっちに猫がいるよ」と手招きしてくれたのでした。
よかった。大事にされてて、おうちがあったんだ。と、ほっとしました。
一緒にいたもう一匹のハチワレは植木鉢の中で寝てました。笑
優しい人たちに見守られてよかったね。
写真は掲載しませんが、同じ広場にいる黒猫の仔猫の眼球が突出してしまっていて。眠っているようだったので起こしませんでしたが容態が気になって何回か見に行ってしまいました。(後日兄弟とおかぁさんと日向で遊んでいる様子を見て、痛みはないようで少しほっとしました)
朝夕は猫の活動時間であり食事時間でもあるようで。
あちこちで猫たちがおこぼれをもらってました。この子はお魚をもらったみたい。
シャウエンは山の上ですが、反対側がすぐタンジェという港町なので割と魚があるようです(鮮度というかハエが多くちょっと衛生的ではないですが)。
昼間を過ぎて夕方は涼しくなるので猫たちも快適。
風通しの良い場所でぐっすり。兄弟かなぁ。同じ格好をして寝てます。
一匹で颯爽と歩いているのが気になっておいかけたロシアンブルーみたいな子。
青い空間にいるとブルーグレイが本当に引き立つ。目はレオンみたいなエメラルドグリーンでした。
猫は絨毯を見つけるとすかさず寝ている気がします。
家の前に敷いてある絨毯の前には必ず猫がいるし。
お店の絨毯(売り物)の上にももちろん猫がいます…。が、怒られている感じがしないのは微笑ましい限り。
モロッコの人は猫がいることは当たり前で空気のように認めている感じ。だからこそ「愛護」ではないのかもしれません。
愛しているのと愛護は違うんだな、と。
大切にすることと、庇護することも違う。
モロッコの人は日本人に比べたら保証のない生活をして、明日を自分で作らなくてはいけない暮らしをしていると思う。
それをどこか悟りみたいな感じで言う言葉が「インシャッラー」というフレーズ。
会話をしていると時々出るこの言葉は「神様が望めばね」という意味。
自分の意思ではない大きな力が働いていて、それには抗えないから願うことしか出来ない、感じ。
「また会えたらいいね」「そうね。インシャッラー」という会話。
君達が幸せであるように、神に願ったらいいのかな、と。
日本にいるとそんな事は考えもつかないけど、ここはアッラーの神様の国だから。そう思わなきゃいけない気がしてくる。
大家族で幸せそうなところへお邪魔させていただき色んなお話しをさせて頂きました。
モロッコの人はみんな猫が好きで、猫の話しも大好き。みんな笑顔で話してくれます。
でも、やっぱり傷ついている子や痩せている子を見るとキリキリします。だからって何も出来ないけど。
駆け寄ってきた二匹の子猫たちのいた場所に翌日行くと、近くの草むらに兄弟と思われるくらいの仔猫が死んでいました。
猫の楽園とか、絶対に行くべき青の街!とか、すごく綺麗な面ばかり謳うけど、そういう側面もあるんだって。
東京でだって仔猫が死んでいる事があるけれど、綺麗な面ばかりメディアで見てきた場所に「観光」で来た自分に本当に見なくてはいけないものは何かと、突きつけられました。
何も出来ないけど、感じたことをきちんと書きたいし、思ったことを残したいし、綺麗な子だけの写真で、いい事だけを書いて「シャウエンって猫がいっぱいで可愛いかった〜!」で、終わらせることは出来ませんでした。
もちろん可愛い猫もたくさんいて人懐っこい子もたくさんいましたし撫でた子もいましたが、それ以上に「共生」ということについて向き合うことを考えさせられた街でした。
来てよかったです。
なにをくら〜い顔をして歩いているんじゃ。
と、上から声をかけられた気がして見上げると宿の前にいつもいた子。
飛ぶぞ。
と言われて慌ててカメラを構える。
ひょーい。
完璧なジャンプ。
揃えた後ろ足がかわいい。
ねこはねこ。ひとはひと。
だから、いろいろ思うことはあるけど。
考えることはいいことだと思う。うん。だから、たくさん考えよう。
シャウエンの写真はこの写真でラストでした。
ジャスミンとブーゲンビリアの花の前に座る猫。そこから綺麗な青い街が見えるかい。
とても、居心地の良い、優しい街でした。
さて、シャウエンからフェズへ移動です。
◆おまけ◆
桐島が今回モロッコ旅で持参したカメラはNikonD610なのですがパーマセルでメーカー名と型番とNikonの赤ラインを隠して(笑)我が家のレオンのレンズキャップケースをつけるという作戦に出ました。
猫を撮りたいアピールをしたい時にフランス語や英語が通じない相手にこれこれ!とレオンを見せて(笑)撮影するジャスチャーをすると「あぁ!猫ね!」とわかってくれる人が多し。
むしろモロッコ人から声をかけてきます。笑 特におじさん。
レオンのレンズキャップケースは東京キャットガーディアンで扱っている台湾の猫グッズ作家AIRAのおもちゃ箱さんの作品でうちの子写真で世界で1つのオーダーを受けてくれるのです!これ、猫写真撮る人にはほんとにおすすめ。ていうか、モロッコで「これ、うちのこなんですよ可愛いでしょ〜」と何回自慢したことか。笑
いろんな猫種の販売をしているのでオーダーじゃなくてもいいわ〜という方もぜひ。可愛いですよほんと。
- 2016.10.05 Wednesday
- 海外の旅の記録
- 23:52
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- by 桐島ナオ