桜の記憶。
今年は桜をあまり撮影しない春でした。
毎年だって何回も撮るわけじゃないけど、PhotoCafeと、研究室の2回だけ。
そうして撮った桜にもやっぱり自分自身の思考が写っていて。なんだか、べったりしている気がするので文字にしてここに置いておこうと、思います。
同じカメラ、レンズで撮影。
雨あがりの滴が涙みたいで。でも、それだけじゃなくて、やじろべぇみたいな、不安定さと。
どこかバランスがとれてしまっているような曖昧さが美しいな、と。
触れたら、消えてしまいそうな怖さが、ソメイヨシノにはあるような気がして。
怖い、といってもこの日に撮った桜たちは怖い感じがしないのが不思議。
この広大な土地を世話していたボランティアの植木屋さんが亡くなって。
世話をしてくれる人がいないらしい、伸び放題の桜。
だから、地面につきそうなくらいに枝を伸ばし、折れている子もいるけれど。
それはそれで、美しくて。
その話を聞いているからだと思うのだけど。植木屋さんの気配を感じるような。
少し近い人に、植木屋さんのおじさんがいて。その人のことがとても好きで。
居なくなってしまった事が信じられない。「お葬式」ってやっぱり大事なのかも、と大人になってから思います。
春はお彼岸もあり、亡くなった人を思う季節でもあります。
桜は好きじゃないけど、きっと好きであったろう花だから。その人を思えば、桜も綺麗だと思える。
向こう側、の世界。
その手すりに捕まって、こっちに手を振っているように思えた。
大好きだった植木屋のおじさん。笑顔が素敵な人だったから、そう思うんだろうな。
もちろん、そんな風にまだ全然思えない記憶もあり。ずっと赦せないままで生きていくことが自分にできることなんだ、とか思っているのだけど。
時間が経って、景色を何度も眺めているうちに、自分が歳をとってきて。あなたの年齢に近づいている。
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- 2017.04.13 Thursday
- 撮影記録
- 21:34
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- by 桐島ナオ